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不器用なタッシュ

第4章 シエロ

「大丈夫!大丈夫!こんな奴等の相手してくれて有難う~。また良かったら、来てよ!なっ嘉之!」


「あぁ…。」


何だよ…良いとこ全部持っていきやがる。 


チクチク…。


この痛さも、鬱陶しぃ~!


「有難うございます…お言葉に甘えて…。あの、良かったらこれ、貰って頂けますか。」


「ん~?あっ!絵画展のチケット~!」


二枚ある…誰の分だ?
俺、あんまり行かないんだよ、こうゆうの…なのに。


「折角だから、嘉之と行けば!なっ!」


安岡は爽やかに笑ったけど、目の奥に陰謀の影が過ってないか?


「そ、そうですか…でも…。」


チラリと、また見られた。


いつもなら、簡単には


『面倒だから、行かない!』


で、済ますが…。


「俺で…良ければ…。」


何故か、そう言ってしまった。

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