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不器用なタッシュ

第4章 シエロ

何かを誤魔化す様な気分で、珍しく無駄にはしゃいでしまう。


そんな俺を見て、渡辺香織も一緒に笑いながら、飲んでいた。


チクチクチクチク…。


針の先で、点描でも打たれてる感覚がする。


病気なのかな、俺?


22時近くになると


「すみません…明日も仕事なので、お先に失礼しますね。」


彼女はそう言って、財布を取り出そうとした。


「えぇっ!渡辺さん帰っちゃうの~!」


「寂しいな~!良かったら連絡先教えて!」


おいっ!然り気無く聞くなよ!
俺だって聞いてないのに!


「ははは!楽しかったです!また呼んで下さいね!」


酔っ払いを上手くかわす。


安岡が

「渡辺さん、奢るからいいよ!」


気遣って言った。


確かに野郎ばかりで、彼女に払わせるのは、申し訳ないよな。


「でも…結構飲んだので、少し払います!」


気にしてしまう、タイプだな…。

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