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不器用なタッシュ

第4章 シエロ

ポッカリ空いた穴は、ドンドン広がる…。


満たされない…。


「はっ!満たすってなんだよ…。」


解らない。


満たされたいからか?


認めて、貰いたいからか?


俺はひたすら吐き捨てる様に、カンバスに絵の具を叩き付ける。


自分の事も解らないのに、他人にの気持ちなんて尚更解らない!


『好き』だって簡単に『嫌いに』なるんだ…。


だから、俺は描きたいもんを描くんだ。


誰かに合わせる気なんてない!


そんな事をしたら、描いてる意味が無くなる!


「土屋…大丈夫なのか?」


数人の審査員の好みに合わせる…。


俺なら


「やってらんねぇ…。」


土屋が、昨晩俺を強く求めた理由…。


後々、解ったんだ…。


俺たちは似すぎてたから…一緒にいちゃいけなかった。


そして俺には、君が居てくれ…土屋は、独りになっていく…。

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