テキストサイズ

不器用なタッシュ

第4章 シエロ

「ほらっ!土産。」


「サンキュ~!気が利くじゃない。」


着信無視した詫びとも、言いにくいけどな。


「で~何か用事か?」


「べっつにぃ。一緒にご飯でもと思っただ~け。」


相変わらず、気紛れだよな。


「あっそ…。」


自分で買って来たコンビニ袋から、アルコールを取り出して飲み始める。


土屋の部屋には、描きかけの作品があった。


「これ…課題?」


「ん~コンクール用!嘉之もたまに出してるでしょ?」


「ああ…たまにな。」


本格的に腰据えて描ける様にしたいから、知名度のあるコンクールを狙ってはいる。


ここ最近いつも言われる評価は


『技術面じゃなく、メンタル面の表現力を期待したい。』


描きたいもんを描くのが、メンタル面じゃないのか?


何かが足りないんだろうが、全然解らない。


ストーリーメニュー

TOPTOPへ