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不器用なタッシュ

第4章 シエロ

「いいんですか…ね?」


彼女もチラリと俺を見る…出来れば即答して欲しかったな。


「時間あるなら…。」


と、その一言に安岡が肘で小突く。


「もっと他に言いようがあるだろぉ~!」


そう口が、パクパクしている。


でも彼女は


「時間あるんで、一緒してもいいですか。」


はにかみながら、同意した言葉に俺はちょっとホッとした。


それは単純に、断られる事への恐怖感なんだと解釈していたのに、安岡は渡辺香織が去った後


「嘉之~嬉しかったんだろ!」


ニヤニヤしてる


「別に、いつも来てくれてるから悪いじゃん。」


本当にそう思ったのに


「え~渡辺さんが来ると、明らかに顔付き違うぜ!今までに見たことないくらいは、ホッとした顔してんだよ、オマエ!」


俺以上に、安岡の方が嬉しそうじゃないか?


「そうか?」


意識が無いから流すと


「あぁ~渡辺さんと上手くいってくれたらいいのになぁ~。あの子だったら、流石の嘉之も落ち着くと思うよ!」


「はぁ?勝手に決めんなよ!」


その確信は、いったいどこから来るのかは謎だった。 

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