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不器用なタッシュ

第8章 決意

「ナァ~」


きなこが足に、頬を擦り寄せる。


「ちょっと、待ってな…」


頭を撫でて、靴を履いた。


寝てる時間も不規則で…世間が何時かもよく解らなくなる。


外は日が、傾き掛けていた。


地面の影が、長く伸びる。


久々に自分の影なんか意識した気がした。


画材屋までの道は、変わった所も変わらない所も様々で…改めて懐かしさが込み上げた。


都内に住んで長い事…忘れかけてた風景…。


小さい頃から描き続け…上京しても描き続け…。


何の為に描いてたか、解らなくなりそうな時もあったけど…


「…この景色…一緒に見れるかな…」




君と出会ったその日から…

俺の中の色彩は…

鮮やかに広がったんだよ…。

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