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不器用なタッシュ

第8章 決意

それからひたすら描き続ける毎日。


本当に描きたい現実を想いながら、絵の具を混ぜて白い画面に叩き付けていく。


いつの頃やら香織からメールも来なくなっていて…


前だったら気になった仕方無かったのに、逆に作品に集中していった。


メール寄こさない事は、俺への気遣いとさえ思った。


香織の不安なんて…ちっとも察してやれてなかったんだ…。


「あっ…オイル切れた…」


買いだめしておいたはずのに…もう無いのか…。


「買いに行かないと…」


絵の具も買い足すか。


無造作に財布を握り、ケツポケットに突っ込んだ。


一階に降りると、母さんが


「どっか行くの?」


「画材買いに行ってくる!」


「あら、そう~」


基本うちは、放任だ。

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