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不器用なタッシュ

第3章 高校時代

「あ…サンキュー!助かった。」


美術部員でもないのに、好き勝手に使ってる俺は、疎ましがられてもおかしくないのに、何気ない一言を拾われたのが嬉しかった。


「困った時は、お互い様だよ。須永くんが真剣に描いてると、私たちも刺激になるし!」


「そうかな…邪魔じゃない?」


「はは!大丈夫だよ!」


薄井は屈託なく笑って、ボソッと


「弱小だから…スペースあるし。」


「ぷっ!マジかよ。」 


本気で、吹いた。


そんな俺に、ニッコリ笑う薄井。


キュン…。


胸奥が、少し跳ねた気分になった。


てか、女子とこんなに気軽に話したのは初めてな気がする。


やっぱり趣味が合うと、違うもんなのかな?


その日から、薄井と話す機会が凄い増えていった。


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