テキストサイズ

不器用なタッシュ

第6章 不安

夜になっても感情の起伏は、収まらなかった。


締め切りまで時間がない…作品は3パターン上げないといけない。


何枚もデッサンしても、納得がいかず破りすてる。


「はぁ…。ムカつく…。」


思い通りに描けない、歯がゆさ。


絵の勉強をしてこなかった自分には、感性しかない。


技術で誤魔化す術も、妥協も出来ない。


何も無いのかな…俺ん中には…何で描いてたんだ…。


言葉に出来ない事を色や形で現しただけ。


俺の作品は、感情の塊でしかない。


何かの為に存在してる訳じゃない。


誰かの為に描いてる訳じゃない…。


ただの自己主張だ…。


「出来るのかよ…。」


更にどす黒い闇が、襲いかかるんだ…。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ