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不器用なタッシュ

第4章 シエロ

「へぇ~、あんま画家の半生とか興味なかったけど、意外に面白いね。で、この大量のチュッパはなんで?」


話に反応したのが嬉しかったのか、更にイキイキとした表情になり


「このロゴ、デザインしたのダリなんですよ。」


ウッソ!
そりゃ、本気で驚いた!


「マジっ!かっけぇ~!これ昔からあるのに知らなかったわ!俺も身近なものに浸透したものにデザインしたいてぇな!」


素で言うと 


「出来ますよ!てか、しましょう!」


彼女も素だった。


「簡単に、言うなよ!」


その確信に照れ臭くなりながら、俺は素直に笑ってしまった。


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結局、大量のチュッパと画集を貰ってしまった。


「渡辺さん…本当に良い子だよな~。嘉之どうすんだよ!いい加減、気持ちに応えてやれば?」


「それこそ簡単に、言うなよ…。」


彼女は何で、展覧会に誘ってくれ、大量のキャンディを用意してガラの話をしたんだろうか…。


俺は本当に、子供だったんだ…。


彼女の深い愛情を受け止めずに、ただ貪るしか出来なかった。




それが、当たり前だって…。

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