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不器用なタッシュ

第4章 シエロ

「ダリは、ガラの足元に身を伏せるくらい破滅的に笑ってしまったんですが、そんなダリに彼女は…」


『私の坊や、これからはずっと一緒よ。』


死だけ中断出来る、不変の愛が生まれ、ダリの作品に大きな影響を与えたという。


トックン…トックン…。


染色は…どんどん早まり、拡散する。


「へぇ~。やっぱり偉大な人物にはドラマチックなエピソードがあるんだね!」


安岡の声が、遠くに聞こえてくる。


「憧れなんです…ダリとガラは…常に一緒にいたんですよ。」


画集を開き、夢見心地で語る彼女。


その穏やかな微笑みは、さっきの作品のガラと被って見えた。


ヤバイ…しっかりしないと。


俺はテンションを上げて、聞いてみた。

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