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不器用なタッシュ

第4章 シエロ

この事が、後々土屋を歪めていくなんて、この時は思いもしないまま、待ち合わせ場所に向かった。


展覧会は、都内の某デパート。


時間通りに着いたけど、彼女と安岡は先に着いていたから


「お待たせ…。」


と、言ってしまった。


「時間通りですよ。ちょっと早く来ちゃったんで。」


気遣いからか、彼女はそう言ってくれたが


「少しは早く来いよ!」


安岡に結局、突っ込まれる。


ざけんなっ!


基本的、そんな時間にルーズじゃないだろ!


初っぱなからテンションを下げさせるなよ。


眉ねを寄せる俺を心配そうに


「展覧会、行きますか?先に、少しはお茶しますか?」


上目遣いで様子を伺う。

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