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桐沢「…俺は紗江にはいつも笑顔で居て欲しい。会えない俺を想って哀しい顔をさせるよりは…何もかも忘れて新しい人生を笑顔で過ごして欲しい。」

優しくなだめるような桐沢の声に紗江は嗚咽を漏らした。

紗江「…嫌…そんな事…言わないで…」

(…紗江…俺だって本当は辛い。俺以外の奴が紗江を幸せに出来るなんて…本当は思ってない…。いや…思いたくもない。それでも…今はあえてこう言う。)

桐沢「…これが…俺の愛だ…」

そう言いながら泣きじゃくる紗江の唇を激しく塞いだ。

泣き続ける紗江を激しく抱く…
この身体に俺を刻み付けるように…

(…ここでの生活が…異常だったんだと…元の生活に戻れば気付く筈だ…。非日常で芽生えた愛に紗江が疑問を抱くかも知れない。だから……これは…賭けだ。普通の平凡な環境で冷静に選んで欲しい……この俺を……)

試すんじゃない…
選んで欲しいんだと心の中で叫びながら…

何度も何度も…紗江を抱き続けた。