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空の記憶~あなたと私と彼、それから~

第20章 番外編第三話【秘恋~背徳の恋~】 睡蓮の池 

「庵主さま、お茶をお持ち致しました」
 賄いの老婆とくの声である。聞き慣れたその声に、光円は何故か、心からホッとした。
 いつしか織部の手も光円から離れている。
「織部さまもあまりに根ばかりお詰めになられましては、かえってお身体にも毒というもの。さあさ、お二人ともお茶になさいませ」
 とくはいそいそと盆に乗った湯呑みを二人の前に運んだ。

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