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空の記憶~あなたと私と彼、それから~

第18章 番外編第二話【薔薇ものがたり】 薔薇の乙女 

「絵を棄てれば、良いのですね。俺が絵を描くことを止めれば、弥生さんを俺に貰えますか」
「馬鹿な、お前はみすみす自分の才能を埋もれさせるというのか」
 徳三郎が眉をひそめた。
 伊右衛門は真っすぐに徳三郎を見つめた。
「俺は弥生さんのためなら、何を棄てても構わない。この生命さえも」

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