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ふわふわ堕天使のスルメイカ

第25章 聖なる夜に・・・・・ 2

何泣きなんだろうか。

何で泣いてるのか分からないけど、何故か涙が溢れ出して、頬を静かに伝う。


……バカ!


さっき、泣いてた自分を反省したばかりなのに、言った傍から泣いてらダメじゃん!


男の前で女の涙は卑怯な武器。


昨日偶然立ち読みした本にそう書いてあったし。

バカバカバカバカ!!

泣き止め自分っ!!


必死に溢れ出る涙を止めようと念じてみるけれど

私の視線の先の黄色の落ち葉たちは、もはや原型を留めないくらい歪んでて。


涙を止めようとすればするほど、更に歪む視界。


……どうしよう…っ!




「あ、あはっ!あれ…変だな。

何で泣いちゃってる…―――」



泣いてる事を言い訳してみようとしたら、ガサッ!と葉音がして。


私の言葉を遮るように




「バカだな、あんた」



の一言。




そして、ふわりと優しく



光の香りに包まれた。






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