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ふわふわ堕天使のスルメイカ

第25章 聖なる夜に・・・・・ 2

いつもなら、ドキンとしたり朗らかな気持ちになれたりしてたのに。

その日は、私には向けられない笑顔で。

私にすら気付かない光。


あの日、一緒に居た女性が誰かなんて事が問題でも何でもなくて。

寧ろ、彼女の存在は私にはそんなに視界になくて、思考にもなくて。


ただ、あの時思った事は。

あの時、ずっと心でずっと願ってた事は。




“私にも微笑んで……”




ただ、これだけだった。



―――――だけど。


それは叶わず、光は私に気付く事なんてないまま前を通り過ぎた。


その事が凄く凄く…何とも言えないくらい寂しくて。

凄く凄く、本当に寂しくて。



寂しいと同時に、今まで気付かなかった自分の想いが段々と…

段々と、バラバラになってた“心のパズル”がちゃんとした形になって行って。




「あの時、光が私に気付いてくれなくて良かったのかもしれない」



あの時があったから、私の心の中のパズルは完成したんだと思う。




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