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1人かくれんぼ〜貴方を呪います〜

第9章 思い出



 これは決して大袈裟に言っている訳ではない。

 香織がまだ幼かった頃、近所の男の子達がオモチャの蛇を持って、香織を追いかけ回していたことがあった。

 多分男の子達からしてみれば、逃げまわっている女の子のリアクションを単純に楽しんでいただけなんだと思う。

 しかし香織は、大の虫嫌いだったため、オモチャの蛇とは気付かず、半狂乱になって逃げ回った。

 その為、公園に転がっている石につまずき派手に転んでしまったのだ。

 公園はある程度手入れはされているものの、細かい小石が沢山散らばっており、その上に思いきり転がった香織の膝からは、次から次へと血が滴り落ちてきた。

 流石にマズイと思った男の子達は、必死に謝ると、慌てて怪我の手当てをしてくれ、帰りは代わる代わるおんぶして、家まで送ってくれた。

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