
1人かくれんぼ〜貴方を呪います〜
第9章 思い出
香織は男の子の背中で泣きじゃくっていたが、それは決して腹を立てて泣いているわけではなかった。
確かに、追いかけられている時は腹がたったが、ちゃんと謝ってくれたし、今はこうして家まで送ってくれている。
それなのに、涙が止めどなく瞳から溢れ出てくるのは、ただ純粋にケガした所が痛かっただけなのだ。
男の子達になだめられながら、やっとの事で家に着き、玄関に入ると、香織の泣き声をいち早く察知した静江が、
「どうしたんですかっ!?」
と大声を張上げながら慌てて玄関に走ってきた。
そして香織の膝から溢れ出ている血を見ると、かなり驚いた様子で、目を限界まで見開き、悲鳴をあげながら、
「何があったんですか!?」
と言ってきた。
