
1人かくれんぼ〜貴方を呪います〜
第9章 思い出
一通り悪態をついた沙織は、ようやく満足したようで、瞳から溢れた涙を拭うと、
「千里っ!! 行くよっ!!」
と言いながら、その場を後にした。
千里は何を話すわけでもなく、香織に向かいただ不気味に微笑むと、駆け足で沙織を追いかけた。
香織は沙織と千里がいなくなった事を確認すると、ゆっくり立ち上がる。
顔は泥塗れ、髪はぐちゃぐちゃ、制服のスカートは裾がほつれていた。
「この姿じゃこのまま家に帰った方が良さそうね……」
トイレに備え付けてある鏡に写し出された自分の姿を見て、香織は鼻で笑いながらそう言うと、トイレを後にした。
