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月琴~つきのこと~

第3章 第二話 【月琴~つきのこと~】 一

 何をさせても、いつも小文の半分にも及ばない出来なのだ。小文と二人で琴の稽古に通っていた時代、妙乃は早々と師匠からも見切りをつけられたほどであった。姿形こそ、小文と似ていないこともないけれど、やることなすことと言えば、すべて半人前か、もしくはそれ以下であった。

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