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月琴~つきのこと~

第3章 第二話 【月琴~つきのこと~】 一

 小文は美しいだけでなく、教養も高かった。読み書き算術はもとより、十一の時分から琴も習っており、その腕は相当のものであった。仕立ての腕もあり、小袖を仕立てることなど朝飯前であった。それに引きかえ、妹の妙乃は同じ両親から生まれいでたのかと我ながら首を傾げたくなるほどの出来損ないであった。

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