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月琴~つきのこと~

第3章 第二話 【月琴~つきのこと~】 一

 子どもの頃から、妙乃はいつも姉の小文の影に隠れていた。長女の結(ゆう)は三人姉妹の中では一番おっとりとした性格で、世間で言えば美人の部類に入るとはいえ、次女の小文に比べれば眉目も取り立てて目立つほどではなかった。が、その慎ましさを好もしく思う男性は結構いて、十六で早々と嫁に行き、既に二人の子の母となっている。

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