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。+゚僕は君に恋をした。+゚

第44章 思い出

「トイレ‥行ってくる‥」

トイレ?

「あっ‥ああ。気をつけて行けよ?」

気をつけてってそっからそこだろ‥

ってか、日高が跡取り息子だったとは

何も考えずに日高と楽しく恋してきた俺は挨拶に行かないといけないとか一切考えていなかった

日高の実家は極道‥
あの人並み外れた身体能力、そして喧嘩もずば抜けて強すぎる‥
怒った時の背筋も凍るようなゾッとするオーラを放つアイツは極道の息子だ
絶対に極道の息子に違いない!俺は確信した

まさかナンパ野郎と同じ境遇になるとはな‥

洗面所の鏡見ながらそんな事考えた

‥‥‥‥。






「鮫島先輩?俺先輩見てくるわ?先に始めてて」

「え?ああ。」

日高君は心配性だな‥
ほっときゃその内帰ってくんだろ?

「じゃ始めるか♪」

「始めるかって一樹の質問がないぞ?」

ん?日高君からだっけ?

「トイレ行ったから小野寺さんから(笑)」

パンパン‥




トイレまで来た俺は洗面所をそっと覗き込んだ

「何してるの?先輩?(笑)」

げっ!?日高?!

「俺は別にっ」

ササッと元に戻した髪の毛

「先輩♪かわいい♪」

むぎゅっ!
後ろから抱きしめてきたコイツ

「ちょっやめろよ!」

「練習してくれてたんだろ?(笑)」

俺の実家行く想定で一人鏡の前で髪の毛かき分けて七三にしてお辞儀の練習していたんだろ?
やる事が健気でかわいすぎんだよ

「違っ!」

「何が違うの?」

日高が後ろから俺の顔を覗き込んでくる
ちかっ近いからっ

「先輩♪」

けど俺は決めた!
この気持ちだけはちゃんと伝えなきゃ

「おっ俺っかっ覚悟はあるからな!」

「え?」

くるっと向きを変えた先輩が物凄い眼力で俺を見て言った

「日高が‥あっ跡取り息子でも‥おっ俺は‥つっ着いて行く覚悟はある!」

跡取り息子?

確かに跡取り息子だけど‥
何で知ってんだ?

「俺‥家業継ぐのが嫌でさ‥」

そら嫌だろな?
わかるぜ日高の気持ち
並大抵の気持ちじゃ出来ねー一大決心のいる事だ

「両親共にそっそうなのか?」

極道がどんな事するのか知らないけどお袋さんだけはパートとかに行っててほしかった

「代々受け継がれてきたからな‥」

代々?!

格式の古い極道かよっ
立派な門構えで庭にはカッポーンとかの竹と池があってオヤジさんは髭生やしてる

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