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。+゚僕は君に恋をした。+゚

第40章 芽生え始めた小さな恋の花

「何が‥恥ずかしいんですか?」

ニコッと笑って聞いた俺

「何がって‥だからっあの‥そのっ」

『健ちゃん走っちゃダメです!』

「!?」

スーパーの中で小野寺さんに突然抱きしめられた

ケチャップ付いたフランクフルト持った子供が走ってきたからとっさに抱きしめた

『健ちゃん待ちなさい!』

子供の教育がなってない!

「あの‥小野寺さん?」

抱きしめられたかと思ったら小野寺さんが離れて行く

通り過ぎた女の人の腕を掴んで耳元で何か言って片隅に連れて行った小野寺さん

な‥に‥?
何で俺の聞こえない場所に連れて行くの?
何で女の人に声かけるの?
小野寺さ‥ん

やっぱり‥男の俺なんか‥

俺は買い物カゴをその場に置いてスーパーを後にした


「本当にすみませんでした。子供には十分言い聞かせますので」

子供の母親に注意し終わったので橘さんの元に戻ったら
買い物カゴだけその場にあって橘さんの姿はなかった。

どこ行った!?
何でいなくなる!?

スーパーを急いで出て走って探しまわろうとしたら隣の公園からブランコの音がした

キー‥キー‥


ふと見れば橘さん!?
俺はゆっくりブランコに近づいた

キー‥キー‥キッ!
揺れていたブランコが急に止まった

顔を上げれば俺をほったらかしにして女の人をナンパした小野寺さんが立っていた

「‥何で‥来たん‥ですか‥ゥ‥ック」

何でまた泣いている?

「橘さん‥どうして」

バシッ!
橘さんの肩に触れようとした手をはじかれた俺

橘さん?

「浮気‥するんでしょ‥あの人と‥ゥック‥」

浮気?

「橘さん?何言って」

唇噛んだ橘さんが涙流しながら睨んできた

「さっきスーパーでナンパして約束してたでしょ!!ゥッ‥」

スーパーでナンパ?

何の事‥
あっ‥さっきの‥

「橘さん違いますよ。あれは子供がケチャップ付いたフランクフルト持って走ってきたから通った母親に注意したんです」

通った母親?

「‥‥‥‥」

「注意しただけですよ」

小野寺さんがまた俺を抱きしめた

「けどっ!だけど!聞こえない場所に連れて行ったじゃないですか?!」

クスっと笑った小野寺さんが俺の涙を拭いながら言った

「公衆の面前で子供の事を注意されたら嫌でしょ?だから片隅で注意したんです。」

「だけど‥」

「信じて下さい。」

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