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。+゚僕は君に恋をした。+゚

第40章 芽生え始めた小さな恋の花

何で‥頭が‥

しかも芽衣子の墓場の前で抱き合ってキスしてる‥

沸々湧き上がる怒り

「せねー‥許せねー!」

俺は芽衣子を殺した男をずっと探していた

やっと見つけた男は沢木組の幹部だった
俺は仇を討つ為に沢木組の門を叩いた

沢木組の組員になれば小野寺の行動を把握できると思ったからだ

でも幹部の動きは極秘なのか下っ端の俺たちの耳に入る事はなかった

「‥してやる‥ろしてやるっ」

俺は抱き合ってキスする2人を憎しみの目でずっと睨みつけていた


「橘さん行きましょうか?」

「はい」

小野寺さんが俺の手をやっと握ってくれて長い墓場の道筋を歩いた

ん?

今誰かが俺たちを見ていたような‥

「どうしました?橘さん?」

気のせいかな‥

「いえ…別に‥ところで次はどこに行くんですか?」

初デートともあり俺は浮かれていた

「どこに行きたいですか?クス」

また笑われた‥

握られた手から伝わる小野寺さんの温もり

「小野寺さんは?♪」

「そうだな?」

天を見上げた小野寺さん

「海とか‥」

海?

「潮風に当たりたい気分なんですか?(笑)」

「海嫌いですか?」

「いいえ♪」

小野寺さんに手繋がれて肩にすり寄って歩いた墓場の道筋

車に乗り込んだ俺たち

また離れて座った後部座席

きっと小野寺さんには小野寺さんの立場ってものがあるんだろう‥

だけど‥

やっぱり寂しい俺がいた




車の窓から海が見えてきた

「小野寺さん♪海!海ですよ♪」

ウィーン‥♪

その時下がった窓ガラス

えっ?

俺は小野寺さんを見た

ニコッと微笑んだ小野寺さん

橘さんが嬉しそうにハシャぐから窓ガラスのスィッチを押して窓ガラスを下げたら橘さんが驚いてこっちを振り向いた

ニコッと笑った俺

一瞬見えた橘さんの赤い顔

本当にかわいい人だ…橘さんはクス

「高場。あそこに停めてくれ」

「へい!」

頭が指定した場所

地平線が一望できる誰もいない砂浜

「高場も降りて釣りでもしてこい」

釣り?道具は?

「橘さん行きましょうか?」

「はい♪」

高場さんから見えない所に来た時

また繋いでくれた手
手を繋ながら歩いた砂浜

寄せては返す波の音
ポー‥♪

遠くから船の汽笛の音が聞こえた

「気持ちいいですね小野寺さん♪」

「ああ‥そうですね」

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