テキストサイズ

。+゚僕は君に恋をした。+゚

第40章 芽生え始めた小さな恋の花

小野寺さんが帰るって事になり皆で玄関までお見送り

「橘さん少し借りるぞ」

玄関で靴を履きそう言った小野寺さん

「借りる‥ってデートじゃ‥」

橘さんが小さな声で続けてそう言った

「橘さんまだ腰本調子じゃないからムチャクチャしたらいけないぜ(笑)」

鮫島君?

「ナンパ野郎は横になって寝転がってたらいいからな(笑)」

寝転がってって?

「僕何言おう‥」

言う事がないなら黙っとけ‥

「好き放題言わないの!別に小野寺さんとは‥その‥ナニをしに行く訳じゃないんだからっ」

「ナニって何?(笑)『はっきり言えよ』『僕‥その‥』『気をつけて行ってらっしゃい♪』

一斉に言われて何言ってるのかわからない俺

「とりあえず行ってくるから。戸締まりちゃんとしといてくれよ」

「任せとけ!『ガキじゃねーんだから』『‥‥』『うん♪』」

小野寺さんと出た家

マンションの前には黒いBenzが止まっていた

「頭!‥っと橘さん?‥おはようごぜぇます」

「おはようございます‥」

「ああ。高場悪いな‥橘さん乗ってください」

頭って?

悪いなって頭?

車に乗って走り出した黒いBenz

離れて座った後部座席

手も握ってこない小野寺さん

運転手さんの前じゃさすがにあの情熱的な小野寺さんでも出来ないって訳か‥

心寂しい俺がいた


しばらくして目的地に着いた黒いBenz

「頭着きやした」

「高場は待っていてくれ」

「へい!」

着いた場所

それは‥

墓場?

初デートに墓場?!

「橘さん‥着いて来てください」

「あっ‥はい‥」

小野寺さんの後ろを着いて歩いた墓場の長い道筋

一つの墓石の前で立ち止まった小野寺さん

「橘さん‥」

「はっはい!」

墓石の前にかかんだ小野寺さん

俺も一緒にかかんだ

「この墓石は俺の嫁さんになるハズだった人が眠っている。」

お嫁さん?

「お腹の中には産まれるハズだった新しい命があった‥」

赤ちゃんが?

「若かった俺達の結婚を両親は認めてくれなかった。俺は駆け落ちを選び彼女を迎えに行った。だが‥彼女はマンションの屋上から飛び降りて‥間に合わなかった。」

小野寺‥さ‥ん‥


「俺には彼女と産まれてくるハズだった子供の無念な思いを背負って生きていかなければならない‥」

そんなっ‥

「橘さん?」

ストーリーメニュー

TOPTOPへ