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。+゚僕は君に恋をした。+゚

第29章 日高の禁欲生活

「‥‥ッ‥ク‥ッ‥」


日高を見るとまた泣いていたコイツがいた

「何で泣くんだよ‥こっち来い」

俺は泣く日高を抱きしめた

身体を小刻みに震わせながら泣くコイツが愛おしく思える

「日高‥泣き止め」

優しく頭撫でてやったら

小さな小さな声で

「先輩が‥ゥ‥そんな事鮫島先輩にゥ‥‥」


「俺が不安になってした事だよ‥」


不安?

俺先輩を不安にさせたのか?とか思ったら余計に涙が溢れ出て止まらなくなった

「ひーだーかー?お前はいつからそんなに泣き虫になったんだ?俺を守るんじゃなかったのか?」

俺はいつから弱虫になったんだ?

《俺を守るんじゃなかったのか?》

初めの頃は先輩を守るんだ!って意気込んでいた自分がいた

先輩には一言もそんな事言った覚えはないのに‥



先輩の口から出たその言葉に俺は

「先輩俺‥大丈夫だから」

最高の笑顔を見せた

目に涙をいっぱい貯めながら必死に頑張ろうとする日高がいた

俺はそんな日高を頭撫でながら抱きしめてやる事しかできなかった


俺はお前がいるだけで十分なんだからな‥

そう言いたかったけど言えなかった自分がいた


何で俺は言えないんだろう



コイツが必死に頑張ろうとしているのに


何で俺は言えないんだろう



日高の優しさ


日高の温もり


日高の愛情


日高の‥


そう思うと俺まで涙が溢れてきた


「先輩泣いてるよ‥」

優しく俺の涙を手で拭ってくれる


腕の中の日高


「俺‥お前がいれば十分だからな‥」




自然と口から出ていた感情








「先輩‥―っ」

いきなり強く抱きつき返してきた日高


「うわっ!?何だよ!?」


泣きながら笑うコイツが愛おしい


「先輩も泣いてるよ」
「あはは‥一緒だな(笑)」



そう感じてならない1日だった

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