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。+゚僕は君に恋をした。+゚

第54章 次の日の朝

「河辺には言ってやれよ?」

「河辺に?あっそっか?言ってくるよ」

日高が部屋を出ようとした

「あー‥待て」

「何?」

先輩が呼び止めた

河辺は鮫島に自転車買ってもらうの喜んでたよな…

「いや俺が鮫島に言うわ」

「鮫島先輩に?何で?」

「実は自転車は無傷でした。なんて後で知ったらあいつ怒るだろ?だったら先に言ってやった方が」

「それなら河辺もそうじゃん?」

「何で?」

「初めて鮫島先輩と乗れた自転車が無傷だったって知ったら喜ぶと思うよ?」

「あーそうか…でもよ?」

「何かおかしいところある?」

「いや?ないとは思うけど…」

「思うけど…何?」

「いや別に‥」

鮫島だけに言ったところでどうにかなる訳でもないし一番喜んでた河辺に言わないのもなー‥と思った俺は結局二人の部屋を訪れた


コンコン♪

「鮫島と河辺いる?」

相川?兄さん?

「どうぞー?」

ガチャ♪

「あのよ‥」

「何だよ?なっちゃん深刻な顔して?あっバイト見つかったのか?♪」

「いやそうじゃなくて‥」

自転車が無傷だったって言うだけなのに俺は何で言えない?

「先輩‥」

日高が俺の肩叩いた

「河辺何してるんだ?♪」

そう言って日高は部屋に入って行った

その隙に俺は手招きして鮫島を部屋の外に呼び出した

「何?どうしたんだよ?」

でも言えない‥

「あのさ‥その‥」

何て言えば河辺は傷つかずにすむ?
鮫島が自転車を買う?
言った後も鮫島は河辺の為にバイトするのか?

「言えよ?」

「あー‥えーっと」

何をそんなに言いにくそうにしてるんだ?俺には見当がつかない

「なっちゃん?何か悩みでもあるのか?」

「悩み?」

「すごい言いにくそうだからよ?で?何の悩みだ?♪」

「悩みじゃなくてよ‥(あーもう言うしかない!)あのな鮫島っ」

ガチャ!

「鮫島先輩♪自転車無傷なんだって!乗れるんだって♪」

河辺?河辺が自ら言ってしまった

河辺から視線が外されて俺を見る鮫島の視線が分かる

「もしかして‥それ言う為に俺を呼び出したのか?」

俺はコクリと頷いた

「バカじゃないのか」

バカ?

「お前な!河辺は鮫島からプレゼントされるのがすげー嬉しいんだよ‼それを実は乗れました無傷でしたなんて知ったらお前買わないだろ?だから俺は悩んで」

兄さん‥

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