テキストサイズ

愛の嵐

第8章 霧中の嵐

《相葉side》

痛い・・

苦しい・・

血が喉に鉄の味が・・・

最後はここで貴方の腕で・・・


必死に重い体を前に進める
途中で何度も血を吐いたみたいだ
鼻の奥で血の匂いがする

俺じゃない俺
はためく袖も血で染まって異様な色をしている
洞窟を進み空洞に着くと彼はいた
気配を感じたのか笑顔で振り返った
見るなり驚愕の顔に変わったのは当然だろう

本当に智くんだなぁ
でも大人っぽいし威厳が半端ないんだけど

大「どうしたんだ!何故こんな姿に・・・」
相「俺が・・邪魔・・になって・・・ゴボッ」

大量の血を吐いた!
これ死ぬんじゃないの?
苦しさが尋常じゃないよ~
助けて、智くん!

相「一緒・・に・・・行けな・・て・・ごめ・・さぃ・・」

あ、視界が狭まる
体中の力も抜ける
終わる・・・この人の命が終わる

俺が最後に見たのは彼の
悲しく悔しい涙に濡れる顔だった

ストーリーメニュー

TOPTOPへ