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愛の嵐

第43章 腐れ縁×存在意義=幼馴染

下駄箱を開けるとバサッと大量の手紙が落ちた
ボリボリと頭を掻いて拾い上げる

相「毎日毎日ご苦労様です。紙の無駄!」

呆れまじりに悪態をつく
この中に翔ちゃん以上に俺の心を動かしてくれる子がいればいいのに

相「いないから拗らせてんだよなぁ」

鞄に手紙を押し込んて靴を履き替えた
家に向かって歩き出した俺の頭の中は
やっぱり翔ちゃんでいっぱいだった

相「ただいま~」
母「あれ?何で帰ってきてんの?」
相「具合悪くて早退」
母「あんたが?!雪でも降りそうね」

笑い飛ばされた
夏だから雪は降んね~よ!
テンションの高い母にグッタリしていたら

母「今日は翔ちゃんと晩ご飯食べてね」
相「はぁ?何で?」
母「何でって、お母さん達今から出掛けるのよ。明日には帰ってくるから」
相「一人で大丈夫だって!」
母「あんた一人じゃ心許なさすぎだもん」
相「信用ね~なぁ」

賑やかな母の笑いが俺を憂鬱にした
夕方には翔ちゃんが来る
しかも2人っきり
普段なら喜べるのに今は苦しいだけだ

相「部屋で寝るわ」
母「戸締まり頼んだわよ」
相「はいは~い」

翔ちゃんが来るまでに自分を取り戻さないと
部屋着に着替えながら思い返してみた
軽薄でヘラヘラしてて
頭悪くておっちょこちょい
バカみたいな事ばっかり言って
・・・俺、酷いな
自分の現状にガックリと肩を落としてしまう

相「こんなんだから翔ちゃんは世話焼いてくれんだろ~なぁ」

しっかりしないといけないんだよな
しっかりってどうすればなれるんだ?!
暫く考えてはみたものの
分からない事を考え続ける事が出来ない俺は
途中で諦めて結局寝ることにした

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