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愛の嵐

第43章 腐れ縁×存在意義=幼馴染

一人で登校するのは・・初めてか
学校に着くと真っ直ぐ部室へ向かう
その途中木陰に人の気配を感じた

櫻「こんな朝早くに誰かいるのか?」

少し近付いて気付いた
抱き合ってキスをしてる?!
俺はその人物に目を疑った

櫻「あ・・いば?」

俺に気付いた相葉は女子の腰に回していた手を解き
小さく手を振ってみせた
なにやってんだよ!
彼女作らないって言っただろ?!
嘘だったのか?
混乱した俺は走ってその場を立ち去った

櫻「なんだよ!なんなんだよ!!」

部室に向かう予定だったのに
目的を忘れて通り過ぎてしまった
気付けば校舎裏まで来ていた

櫻「なんだよそれ・・・アイツ、バカかよ」

いや、バカなのは俺か
信じてたんだよ
信じて疑ってすらなかったんだ
キスするとか・・彼女だよな
キスか・・・キス?
一回もした事ないのは可笑しくないか?
セックスはしてんのに?
なんでだ?
普通は最初にするだろ?

相「あ~、いたぁ♪探したよ~」

相葉の声にイラッとした
他の女とはキスするくせに
何で俺とはしね~んだ!

相「どうしたの?怖い顔だよ~」

ヘラヘラしてんじゃね~よ!

櫻「何でも・・お前には関係ない」
相「も~、冷たいんだから」
櫻「彼女ほったらかして何してんだよ」
相「彼女?」
櫻「さっき一緒にいただろがっ!」

言いながらさっきの光景がチラついた
胸がチリチリと燃えるように熱い
何なんだよ、これ!

相「彼女じゃないよ♪翔ちゃんに言われたから作ってないし」
櫻「は?じ、じゃあさっきのは」
相「告白されたから断ったんだけどさぁ」

じゃあ、何でキスしてたんだよ

相「ファーストキスを貰って欲しいって言われてお願い聞いただけだよ」

ますますコイツの頭の中がどうなってんのか
分からなくなった

櫻「あっそ。俺には関係ないけどな」
相「ちゃんと話したのにぃ!翔ちゃん!」
櫻「うるさい!・・付いて来んな!俺はもうお前とヤらねぇ!」

追いかけてきた相葉を置いて教室に向かった
胸を掻き毟るような痛みがする
それが嫉妬だと俺は気付くはずも無いままに

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