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愛の嵐

第42章 偶因×晴陰=衷懐

《相葉時間》

相「あ~あ、行っちゃった」

走り去る足音の後、ドアがバタンと閉まった
掴んでいた手をジッと見つめる

相「あぁ、なんだこれ。思い出すだけでドキドキしてきた」

相手は女の子じゃないのに
俺の胸は驚く程に高鳴っている

相「やっぱり好きなんだな、俺」

自らの胸の内を吐露していた
自覚はしていたはずなのに吐き出して初めて染み込んでいく
ジワジワと熱くなる身体が歓喜に震えた

相「返し損ねたな」

テーブルに置いていた眼鏡を手にした
今日も眼鏡掛けてたな
てか、同じの持ってるとか笑える
ニヤける顔を抑え切れない

相「可愛かったな」

会いたい!もっと話がしたい!
でも学校で探すの翔に禁止されて無理だし

相「ん~、ん~」

どうにか探す方法を模索してみる
いい案が浮かばずに暫く唸ってみても何も出てこない
浮かべばいいなと願いを込めて握っていた眼鏡を掛けてみた
すると・・・

相「ん~?あっ!あぁ!文化祭!!」

不自然じゃなく探せる機会だ♪
これなら翔にも怒られない!
来週に控えた文化祭で見つけ出すんだ
そんで今度は逃がさない

相「絶対に手に入れてみせる」

目的が見付かって更にテンションが上がる
回り道も遠回りも出来ない
ひたすら真っ直ぐしか進めない

相「俺に出来るのはこの想いを伝え続けるしかないんだ」

そう心に決めて掛けていた眼鏡を外した

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