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愛の嵐

第41章 擬議×啼哭=縁成

《櫻井時間》

やっと見つけた
偶然だって何だって構わない!
何年もただ想ってた
何年もただ待ってた
逢えると信じてたんだ!
 
櫻「どこに行ってたの?」
大「ニューヨークとか色々かな」
櫻「そっかぁ。今はどこに住んでるの?」
大「住所不定です。実家に帰る予定が無いから住む所を探すつもりだよ」

智は渡した珈琲に口を付けている
俺の胸は有り得ない程に鼓動を早めた
こんな千載一遇のチャンスは無い!

櫻「俺ん家さ、部屋余ってるから住まない?」
大「えっ?はぁ・・・はぁ~~?!」
櫻「探す手間も無いし、家賃もいらないからさ」
大「いやっ、お金の問題じゃなくて」

絶対に『うん!』て言わせたい
もうどこにも行かせない!

櫻「何か問題ある?部屋をシェアするのなんて普通だよ?」
大「でも、なぁ。翔に迷惑かけるし、やっぱり」
櫻「水くさい事言うの無しだよ!迷惑なんて思わないから。お金が気になるならちょっと貰うよ」

テーブルに身を乗り出し説得する
ちょっと押し過ぎかなぁ?
でもここで引いたら智がいなくなりそうで怖い
お願い!受け入れて!

大「う~ん、そうだなぁ。そういう事なら少しの間翔の世話になろうかな」

やったぁ!
困り果てた末でも、押し切られたからでも
理由なんて何だって構わない!

櫻「少しなんて言わずにずっといていいからね♪」
大「そういう訳には・・・まぁ、ひとまず宜しくお願いします」
櫻「こちらこそ宜しくお願いします」

俺の想いを知らない智
知って欲しいけど、知られて避けられるのが怖い
それでも近くにいて欲しいとか、矛盾してるな
強欲になりそうな自分の心を押し込めた

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