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誠の華

第2章 小姓ってこんな感じなの?



まだ恋もした事が無かった私だけど、夢や憧れなんかは有る


まだ見ぬ恋人


初々しい二人


一つ一つ順番に育む愛



幼いと言われればそれまで



好きになって手を繋ぎ、触れるだけの優しい口付け


友達が話してた過激過ぎる大人の恋愛など私にはまだまだ先だと思ってた



こう言う事は愛を育んだ者同士がユックリユックリするモノだと考えてた




それが.....こんな......





「ふっ...う....っ....う.......」



耐える様に唇を噛みしめる




漏れそうになる嬌声を押し殺し涙を飲む



大好きだった新選組



何度も何度も読み返した新選組を題材にした小説




首筋に這われた唇




チクンと痛みが襲った瞬間



「ふ、っ.......も.........やだぁ」



限界とばかりに声が漏れた



それと同時にブワッと溢れた涙は決壊し次々と流れ落ちる



ピタリと止まる沖田さんの掌




そしてガラリと開く扉



「離せ」



そう言って現れたのは無表情のあの人だった

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