
誠の華
第2章 小姓ってこんな感じなの?
鬼の副長side〜
おいおい、これはどういう事だ
着替えを寄越した惨状が余りにも酷い有様に頬が引き攣る
血に濡れた優に一瞬ドキッとした
真っ白な肌に浮かぶのは鮮やかな赤
現場の惨状をも忘れ見つめる事数秒
「優さん大丈夫ですかっ!!!」
総司が藤堂から引き離す様に優を攫い抱く
血が付くのもお構いなしに優の肌を確かめ出す総司
「何処も........何処も怪我してませんね」
撫でる様に優の肌に付着する血を拭う総司の顔は優に一直線
「ちょ、沖田さんっ!!!私は大丈夫です!!!それより平助君がっ.......」
「平助君?」
優の口から平助の名前が漏れピクリと反応した総司がジッと平助を睨め付ける
そして優を抱いたまま立ち上がると部屋を出て行った総司
「沖田さんっ!!!何処行くんですかっ!!!!平助君が!!!」
平助の心配し指を伸ばす優を無視し、原田とすれ違う瞬間ボソッと呟いた総司の声は聞き取れねぇ
ああ、解ったとすれ違う様に原田が平助へ近づく
総司の名前を何度も呼ぶ優の声が長い廊下を伝い俺の耳まで届く
まぁ、何があったか何て、平助の顔を見れば一目瞭然
大方、着付けてやって優に欲情し限界が来てこの有様なんだろう
女を知らねぇ訳でも有るまいし.....
ああ、でもそう言やぁ、馴染みの芸妓の所に連れて行ってもピクリと反応しなかったな、コイツ
ま、それ言うなら攫う様に優を抱き此処を後にしたアイツと...........コイツもか........
無表情が更に恐ろしく、無口なコイツが何を考えてるかなど俺には大抵解らねぇが
消えた二人の後をジッと見つめる姿に
これは早い所なんとかしないとと心に誓う
優、お前には少し......
いや、大分、悪いけど.......残った選択肢は限られてる
内部分裂する訳にはいかねぇんだ
たかが女一人の為に........
こうなった以上........
お前には決めてもらう
何を選ぶか、どれを選ぶか.......誰を選ぶか
お前に決めさせてやる
俺を選ばなかったとして文句は言わねぇ
既にお前は逃げられねぇからな.....
楽しみだ......早く俺の元へ堕ちて来い
