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誠の華

第2章 小姓ってこんな感じなの?




優side~


やったーやったーと拳を高々と掲げる一人の人物。その喜び様は何だか小さな犬を彷彿とさせる


尻尾をブンブンと大きく振り、全身でその喜びを表現する。顔が可愛らしいだけにこっちまで表情が緩む


それに比べて.................



「ぐぉぉぉぉぉ!!!!何でチョキを出した俺ぇぇぇ!!!」

「だぁぁぁぁぁ!!!!俺とした事がぁぁぁ!!!切るを連想してチョキをぉぉぉぉ!!!」

「は..........はは.......僕、負けたんですか?」

「........」


雄叫びをあげる原田さんと永倉さん、茫然自失の沖田さんと自分で出したチョキをマジマジと見つめ無言の斎藤さん


訳のわからない薄い笑みを浮かべる私の額には薄らげな汗の結晶


「じゃ、そう言う事で.......」


そう言いながらグルンと向き直った平助君


その顔がなんだか怖くて一歩後ずる


ギラリと瞳を光らせ徐ろに躙り寄る姿


「へ、平助君?」

トンっと背に何かが付き顔をあげるとそこには笑顔の沖田さんの姿


「今のは練習ですよね?」


私の肩をグッと掴み持ち隠す様に前に出て来た


その笑顔がなんだか怖くてコクリと生唾を呑む

「なっ!!!!ず、ズリィーぞ総司!!!」

「ん?何か文句でも?」


沖田さんの細い指先が刀の鞘に触れた瞬間、青ざめながらも唸る藤堂君


「く、糞......じゃ、次は絶対本番だからな!!!これで勝敗決定だからな!!!」

「おーお、必死だな平助ちゃんは」

「仕方ねぇ仕方ねぇ、平助ちゃんは助平だからな.....」

「おうよ、佐助!!!!嬢ちゃんの着替えが掛かってんだ!!!そりゃ本気になるわな!!!」

「だな、パッちゃん!!!腕がなるってもんよ!!!!」

「おうおう、ち○ぽおっ立て鎮まるもんも鎮まらねぇってか!!!!ぶはっ!!!」

「ぎゃはは!!!違いねぇ違いねぇ「うるさいですね、さっさと始めますよ」」


「「..............はい」」


いつまで経っても騒がしい二つを一喝したのは鞘に手を置いたまま微笑する沖田さんだった


その瞳は少しも笑っておらず真剣そのもので、そんな沖田さんをジッと見つめる藤堂君


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