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誠の華

第2章 小姓ってこんな感じなの?

そんなに駄目だったかなと、シュン項垂れる




それに変な誤解をしてて恥ずかしさに唇を噛む


斎藤さんがそんな事する筈ないのに、馬鹿な勘違いして罪悪感が沸く



ただ着替えを手伝おうとしてくれた親切な気持ちを......




自意識過剰もいい所だ



「よし‼‼そういう事なら俺に任せろってんだ‼‼」


その声に反応する様に顔を上げると自慢げに胸を鳴らす原田さんの姿



な、何を任せるんだろうと、口をポカンと開き原田さんを見つめる


するとどうだろう



原田さんの視線が私の足先から舐める様に上下する



まるで値踏みする様にニタニタと笑うと


「おっとやべぇ涎が....」


口元を拭う


無駄に顔が整ってるだけに、なんだか残念な気持ちに陥る


頬を引き攣らせる私を他所に次に声を張り上げたのは


「それはズリィーってもんだ佐助」


やたらと体格が良い永倉さんだった


呆れた様に原田さんの肩に腕を置くと顎に手を当てマジマジと私を見つめて来た


「こちとら江戸っ子、此処は正々堂々と勝負勝負‼‼‼」



何時から江戸っ子になったのか、腕まくりしながら私に手を伸ばして来る



その手をたたき落としたのは言わずとも、般若の沖田さんだった



「何が江戸っ子ですか‼‼‼こんな時だけ都合の言い様に言わないで下さい‼‼」



そう言って手を伸ばしたのは刀の鞘



「誰も動かない事です......一歩でも動けば手元が狂うかもしれません」



私の目と鼻の先にはキラリと光る刀


私を羽交い締めする形で今にも切りかからんとする勢いに、ゴクリ生唾を飲んだのは私だけじゃ無いはず



「ま、待て総司!!!ず、ズリィーぞ!!!」

「何が狡いんですか!?何なら正々堂々と勝負しますか?真剣勝負を.....」

「お、お前に勝てるとしたらハジメ位しか居ねぇじゃねぇか‼‼‼なぁ、パッちゃん」

「おうよ佐助、此処は飲み比べが妥当だぜ‼‼」

「何言っちゃってんの!?酒豪のアンタ等に勝てる気がしねぇってかどっちも俺が一番負け決定じゃねぇかよ!!!」



キャンキャン吠える平助君等一同だけど



一体何を決めるのか検討も付かなかった私はポツリと呟いた



「じゃんけんしたら早いのに....」



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