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誠の華

第1章 出会い

やっぱり此処は近藤さん、かな......と、チラリと見つめるとウッと唸った後「すまない」と謝られた



「私にはツネと言う妻が居るが、私も男だ、その絶対安全だとは言えないから.....」


オロオロと呟くと視線を逸らされた


土方さんと沖田さんは無理として.....



佐助さんと永倉さん.....


この二人は......


駄目だ



よく、遊郭に行ってると言う話だ


一瞬で手込めにされそうだ


と言うと.......



さっきから一言も喋らないこの人



おそらく斎藤一さん.....



サラサラの漆黒の髪から覗く双眼は濃いブラック


切れ長の瞳に真一文に引き締まった形の良い唇


無表情な顔で見られ、ドキッとした


綺麗な顔がゆっくり逸らされた


そのまま近藤さんに向き直った彼はその唇をゆっくり開いた


「俺が引き受けよう」



その言葉にシーンと鎮まる室内


「は、一君が喋った....」


驚き目を見開いてる一同


それ程珍しい事らしく、皆して斎藤さんを凝視した


「この中で俺が一番適任だろう」


静かな声


低くて胸に染み込む深い声に胸が痺れた様にジーンとした


「た、確かに斎藤君なら心配ない」


近藤さんのその声にピクリと反応したのは土方さんと沖田さんだった


何か言いたそうにモゴモゴとしてたが何も言わず俯く沖田さん


チッと舌打ちし、そっぽを向いた土方さん


「あーあ、こりゃ決まりだな、パッちゃん!!!」
「だな!!!確かに斎藤なら指一本触れねぇだろうよ佐助!!!」

ギャハハと笑いながらお互いの肩を組む二人


こうして私は斎藤さんの小姓になった

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