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誠の華

第1章 出会い



真っ先に飛んで来たのは


「俺が先に唾付けたんだ!!!」


と、訳のわからない事を叫びながらやって来た土方さんだった


私の唇をゴシゴシと拭き始めた


ヒリヒリとしだし、眉をグッと寄せた


「何言っちゃてるんですか!!!全然反省してませんね。やっぱり刀の錆になりますか?」

「それとこれとは関係ねぇ!!!コイツは俺のもんだと言ってんだ!!!!」

「見境ない土方さんはそこの三馬鹿と女郎屋にでも行けばいいでしょ?」

「「「ちょっと待て!!!三馬鹿とは俺達の事なのか!?」」」

「ちょっと煩いですね。黙ってて下さい。先に見境ない犬の矯正の後、躾し直してやりますから.....ね」


ねと言いながら顔をコテンと傾けニッコリ微笑む沖田さん


その笑顔が黒く見えたのは私だけでは無いはず。他の人も真っ青になってるから.......


「そ、総司......取り敢えず刀から手は退けようか?」


再び刀を抜く勢いの沖田さんを止めたのは先程の褐色の良い男性だった

三馬鹿と呼ばれた一人だ

沖田さんはチラリと私を見た後フゥーッと息を吐き出し手を離した


「冗談です」

ニコリと笑い私の横に座り直し、キュッと手を握り締めてきた

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