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誠の華

第1章 出会い

そんな沖田さんに気付かず

寧ろ土方さん謝れ!!!と、今頃になって怒りが湧いてきた為、土方さんに向き直った



冗談にも程があるとキッと土方さんを睨み付けた




バツの悪い顔をしながらも強情なのか頑固なのかフィと逸らされた視線にピキッと来た



「土方さん!!!やっていい事と悪い事が有りますよね?」


と微笑み浮かべた私の声に被せ



今まで成り行きを見てたらしい男達がワラワラと私の周りに集まりだし、言葉を発した



「そ、そうだそうだ!まだ良く解んねぇけど!!」


私より少し高い身長の可愛らしい男の子が声を張り上げた


「大方土方さんが手籠めにしようとしたんだろ?」


体格の良い筋肉質で赤褐色の髪を揺らしながらこれまた格好いい男の人がニッと笑った



私に内掛けを羽織らせてくれた人の肩に腕を置き、怖かったなと、見下ろしてくる


「歳...私は....」


恐らく近藤さんらしき事が伺える男性が憐れむ様に私を見た後、その瞳に力を宿し土方さんに向き直った


「見損なったぞ!!!!武士たる者、か弱き女子に無理矢理....歳がそんな奴だったなんて....」


そして最後は悲しそうに瞳を揺らした


切れ長な瞳を持つクールな印象の人が無言の圧力を掛ける様にジッと土方さんを見つめる


無表情で言葉は投げ掛けないものの、その瞳は軽蔑の眼差しを宿してる



皆に向けられる視線と言葉の数々に耐えられなくなったのか、「ウッ...」と小さく漏らしながら



「悪かった」



ぶっきらぼうに謝った土方さん



それに反応したのは



「そんな謝り方じゃ足りませんね」



沖田さんだった




ニコニコ笑顔を称え口汚く罵り始めた


「大体土方さんなんかが触れたら穢れちゃいます!!!一瞬でも目を放した私が馬鹿でした。
この滑らかな肌に土方さんの菌が付着して病気にでもなったらどうしてくれるんですか?今すぐ消毒しないと!!!あーも、いいです私が後で隅々までしてあげますからね?いいですか、今度から土方さんの半径1メートル以内に近づいちゃ駄目ですよ?孕んでしまいますからね?あ、私の見える位置にいつも居れば安心です!!!ここにはまだまだ油断出来ない狼が沢山居ますから...」

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