
誠の華
第1章 出会い
ポロポロと流れ出す涙
そんな私を見ながら驚愕する二人には涙で滲み気付かない
「ううっ...」
「お、おい、な......な...」
「...」
土方さんのオロオロと焦った声が響く中、沖田さんだけは私を見つめ微動だにしない
そしてそんな沖田さんの手がゆっくり私に伸びてくるも、
「おい、泣きやめ!不細工が余計不細工に見える」
そう言ってグィと乱暴に私の涙を拭う土方さんによって、沖田さんの手が宙で止まった事に気付かなかった
土方さんを見上げれば困った様な顔をしながら私の血の滲む首を見て、どこから取り出したのか、真っ白な手拭いを当ててくれた
その仕草も少し乱暴だったけど、照れた様に顔を背ける土方さんを見ながら
私は思った
私の事を話してみようと...
話してもいないのに、諦めるのは嫌だ
未来から来ました、なんて信じ難い事かもれないけど、事実は事実として受け止めて欲しい
一生懸命伝えた結果...この命が消えるかも知れない
でも...後悔はしたくない
精一杯の私の気持ちを伝えよう
私は息を小さく吐き出すと土方さんに向き直り目に力を込め話し出した
