テキストサイズ

最後のキス~琉球の海を渡る風~

第3章 The wind of Ryukyu~琉球の風~

「樹にも様々な表情があるのだと思って、このガジュマルを眺めていたのです」
「樹に表情があると?」
「はい」
 藍那は微笑み頷き、視線を王から庭先へと向ける。
「このご寝所からの眺めは私の部屋からのものとよく似ています。ちょっと見た目はまったく変わり映えがないように思える樹でも、よくよく見ると、実はまったく違う別の表情を持っていると感じるのです」

ストーリーメニュー

TOPTOPへ