テキストサイズ

最後のキス~琉球の海を渡る風~

第3章 The wind of Ryukyu~琉球の風~

「不思議ですわ」
「何が?」
 王が夜着ではなく、抑えた黄金色の着物にに朱色の帯を前に結んだ姿で彼女の隣に座っている。
 ここのところ、王の健康状態は小康を保っていた。侍医はこの分では完全な床上げも間近ではないかと診立て、周囲は漸く愁眉を開こうとしていた。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ