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最後のキス~琉球の海を渡る風~

第3章 The wind of Ryukyu~琉球の風~

「そういえば、そうだな。一見同じに見える草木も注意深く見れば、それぞれに表情が違う」
 王は笑って頷いた。
「何だか、まるで私たち人間と同じだと思うと、樹も生きているのだと改めて思います」
 まだ樹を眺めたままの藍那に、王が頷いた。
「王妃にはいつもながら愕かされる。誰もが思いもつかないようなことを突然、言い出すのだから」

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