テキストサイズ

最後のキス~琉球の海を渡る風~

第3章 The wind of Ryukyu~琉球の風~

 その日、藍那は王と一緒に拾った小さな星砂を二個だけ記念に持って帰った。
 あまりに二人だけの時間(デート)が愉しすぎて、王宮に帰るのはかなり遅く日暮れ時になってしまった。女官長は蒼い顔で二人の帰りを待ちわびており、やっと帰ってきた国王夫妻の無事な姿を見て、涙を流さんばかりに歓んだ。この一件で、藍那は自分がどれだけこの信頼できる女官長に負担をかけていたかを悟った。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ