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最後のキス~琉球の海を渡る風~

第3章 The wind of Ryukyu~琉球の風~

「逃げないで、私を受け容れてくれ」
 深い声に軽い酩酊感を感じている中に、いつしか王の顔が至近距離まで迫っていた。
 逃れようとして、後頭部をしっかりと押さえられる。背中に回された彼の手により強い力がこもり、藍那は壊れそうなほどきつく抱きしめられた。
 唇を塞がれた。ブーゲンビリアの傍らで交わしたファーストキスと違い、今度のはかなり濃厚だ。まだそんなことを考えている間は、余裕があったのだろう。

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