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最後のキス~琉球の海を渡る風~

第3章 The wind of Ryukyu~琉球の風~

 南国の天候は移り気な恋人のように変わりやすい。王がまた藍那の手を掴んだまさにその時、空が俄に曇り、雨滴が落ち始めた。先刻まで太陽が輝き、蒼穹がひろがっていたのが嘘のように不気味な黒雲が立ちこめている。
 落ち始めた雨滴はあっという間に本格的な降りから大降りになった。
「何ということだ。とにかく、あそこへ行こう」

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