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パパとママのタカラモノ。

第5章 病の発覚。



大部屋は4人部屋で
そのうち3つのベッドが
産婦さんで埋まってた。


「草薙(クサナギ)さん、木村(キムラ)さん。こちら今日から同室されます、斎藤奈央さんです。宜しくお願いします。」


看護師さんが
保育器を押しながら
紹介してくれた。


奈央「宜しくお願いします‥。」

草薙「こちらこそー。」

木村「仲間が増えて嬉しいわあ!宜しく!」


草薙さんはおっとりとした
か細くて優しそうな方。

木村さんは
ガッシリとした体型の
『母ちゃん』気質。


「斎藤さん、また様子見に来ますねー。」


看護師さんが病室から出ていくと
木村さんが話しかけてきた。


木村「カーテン、あたしらはもう恥じらいなんてものはないから、開け放してるけど斎藤さんはまだ若いよね!?嫌だったら、視線が気になるようなら、閉めきってていいから!笑」

奈央「いえ、大丈夫です。こっちの方が落ち着くし、私はずっと個室だったから、お二人の育児、参考にさせて頂きます笑」


と、ここで草薙さんが話に入ってきた。


草薙「あの‥初対面で失礼だとは思いますが斎藤さん、おいくつですか?」

奈央「21歳です。来月で22になります。」

草薙「え~、若ーい!!」

木村「若っ!!あたしらより、一回り若いな!!てかあたしは二回り近いか!笑」

奈央「お二人はおいくつですか?」


失礼だとは思いつつも聞いてみた。


木村「あたしは43!!高齢出産ってやつ?笑」

草薙「私は37です。なかなか子供ができなくて、不妊治療を続けてやっと授かった子供なの。」

奈央「おめでとうございます。」

草薙「ありがとう。それで‥いつご出産されたの?」

奈央「7月4日です。」

木村「嘘!?」


木村さんが驚いた声を出して
草薙さんを見た。


草薙「本当に?私の息子も7月4日に帝王切開で産まれたの。」

奈央「えっ!?」

草薙「逆子が直らなくて苦笑」

奈央「私も帝王切開でした‥。」


てことは‥てことはだよ?


草薙「もしかして、午後から手術されました?」

奈央「はい!え、じゃあ草薙さんは午前中ですか?」

草薙「うん。」

木村「すっげぇ!!同じ日に出産したママ同士が、今あたしの目の前にいるよ!笑」


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