
パパとママのタカラモノ。
第5章 病の発覚。
出産6日め。
私は個室から
大部屋に移ることに。
と同時に2日後の退院が
1週間後に延期された。
看護師さんからは
「まだ身体が完全な状態じゃないからね。」
と言われたけれど
それが本当の理由じゃない
ってことは薄々気付いていた。
要するに、出産後、
私は自分のことで精一杯で
風くんを抱くこともままならず
あっという間に6日が経ってしまい、
風くんのお世話全般を
看護師さんに委ねてしまっていた。
出産後、オムツを替えたのも
ほんの数回程度。
授乳時には立つことができないので
ナースコールを鳴らして
看護師さんに手伝ってもらっての授乳。
そんな状態では
退院出来たとしても誰かに甘え、
まともに風くんの世話ができっこない。
そう自分なりに考えてみた結果、
この判断に納得するほかなかった。
大部屋は私の好きな部屋を
選ばせてもらえた。
「今、ベッドが空いてる部屋はねー、305号室と310号室、あとは‥あっ302号室も空いてるよー。」
んー、どこにしよう??
「窓際が良いなら、310号室がオススメ。」
あっ、305号室には
仲良しのママ友さん達がいる~(*^^*)
真向かいの310号室なら
毎日だって会いに行ける~♪
‥よし、決めた!!
奈央「310号室でお願いします‥。」
「310号室ですねー。分かりました。早速、移動の準備始めますねー。あっ、斎藤さん歩ける?車椅子用意しようか?」
この頃は多少の距離なら
歩けるようにはなっていた。
奈央「多分大丈夫です。手すりに掴まりながら歩くので‥。」
「そう?まぁ無理せず、ゆっくり行こうね。」
私はお昼過ぎに大部屋へと移った。
